飛行機待ちのシミコットより
紅一点、鈴木隊員の登頂レポートをお届けいたします
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いつのことだろうか。
気がついた時には『もっともっと山を知りたい!』っと私は強く心に想い、そんな気持ちの根っこがしっかりと芽生えていたんだ。
あれは、23歳の9月に札幌の実家に帰って来た時。あの状況は今でも一度も忘れた事がないよ。私は、暗いダークな迷い道にはまってしまって、自分の生きる道がわからなくなっていた時期だった。自分が生きている存在すら否定をしたかったくらいだ。何か自分にしかできないものを・・・と。
私の第2の生き方のスタート地点が、そこから始まった。5歳から大好きでスキーを始め、アルペンスキーの世界にドップリ浸かり、楽しくって大好きだったスキーが19歳で大嫌いになり、選手生活を続ける苦しさと、約15年間、幼い頃から親や協力者達と一体になって積み重ねた努力の賜物を思いっ切りやめる勇気からくる辛さから逃げ、もがいて、何が自分らしさなのか。何が。何が。っと。探していた。
そんな時・・・『山』だけが頭にポカーンと浮いた。
そしたら、2度と触れないだろうと思っていた、スキーをもう一度はくチャンスが自然と訪れて・・・
そしたら、あの時頭にポンっと浮いた『山』とも出会ってしまったんだ。きっと人は、本人自身が素直に思い描くものが現実化するのだろう。
そして、私にとって人生初めてのヒマラヤ未踏峰登頂の挑戦。その山を世界で初めて滑った事が今の自分の現実の足元となった。全てのものが、自分の前に現れるもの起こるものが、新鮮で初めてだったし、『全ての自分に訪れる苦労や幸せは私に必要な情報で、自身を大きく育ててくれるラッキーなもの』だって、長い長い年月の時代を超え、いつもいつの時代も地球を高い場所からドッシリと見ていてくれる鋭く尖ったヒマラヤの山々は、私に、その言葉を知識ではなく、知恵としてプレゼントをしてくれたよ。
あぁ・・・沁み込むよ。
ヒマラヤの山で私が味わった雪は、人間の手が加わっていない地球環境が生み出した『美雪』だった。こんな、雪は見た事がなっかたし、私の過去の身体の中にインプットされている遠い雪質の記憶の中にも無かった。どの場所の雪面をみても、目が点になってしまうほどだ。そして、ふと頭に浮かんだ。それは、タケさんに出会った時に感じたものだった。『何でこの人は?こんなに?雪山を楽しそうに滑ったり、ハングリーな精神をむき出しながらスキーを滑る事ができるのだろうか』っと思った時の事を思い出し、私の頭の中をサっ!と過ぎったんだ。
そしてその瞬間、私も身体いっぱいで感じて気づいてしまった。『あぁ・・・これなんだ』って。タケさんの中で、とどまる事なく沸々と温められているワクワク感に似たこのエネルギーの源は、二度と味わえないこの山と雪からくる情報だろうって。
また、山と雪が前よりもっと好きになってしまった。
とても愛しいよ。
この綺麗で素直で無邪気な気持ちを山とスキーに対しても、その他のものにも、何歳になっても抱く自分のハートがいいし、これからもそう居ることだろう。
そして、この大切な気持ちを抱く事ができたのも、今回一緒に登頂に望んだ仲間がプレゼントしてくれた。私は、自分以外の人に生かされている事を強く感じた瞬間にもなった。人間にしかできない、人と人の無限の目に見えない繋がりの可能性も。人は、強く何かを達成しようと望んだ時、「自分が何を知らないか」を知らなかった自分に気付くようだ。だからこそ今までよりもっと、その一瞬一瞬をひたむきに、小我を忘れ懸命に、感謝の心を持って、誰かと心の繋がる時を切に生きたいとおもった。たった一度の生き方を。
この気持ちを、本多さん、ヨシさん、タケさん、マサルくん、シェルパーさん達、私の家族や自分を取り巻く全ての人達と、今回の遠征にご協力して頂いた方々へ感謝の気持ちを贈ります。本当にこのような環境をつくって頂いたり、共に力を合わせながら過ごして頂き感謝の気持ちでいっぱいです。
何千年もの年月を経ている雄大な地球の中で、この時代に同じタイミングで生まれあなたと出会えた事に感謝します。
ネパール・シミコットにて
鈴木 彩乃

投稿者 tatsuno 日付: 2008年08月16日 10:03 am |

4 Responses

  1. ホワイトデポ Says:

    エネルギーを一杯貰ってきたみたいですね。
    そのエネルギーを今後の活動に役立ててください。

    PS 彩乃ちゃん焼けたな~(笑)

  2. カルロス佐藤 Says:

    彩乃さんの文章の一言一句が心の琴線に触れます。そして、なぜか涙が溢れてきます。まるでぼくもたった今ヒマラヤの未踏峰のアタックから帰還したかのようです。あなたの全てにありがとう。

  3. johny Says:

    おめでとうございます

    皆さんと一緒にヒマラヤに行って来まし

    感動しました

    ありがとうございました

  4. あんchan Says:

    児玉さんのレポ-トで、命の危険と隣り合わせの滑降にハラハラドキドキでした。いつも出会いに感謝する貴女だから、こんな素敵な仲間達にめぐり合えたに違いありません。チ-ム皆さんの志の高さに勇気貰いました!

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